緊急事態宣言に伴い8時以降休業している飲食店には1日6万の給付が行われます。
しかし、飲食店以外の事業者は緊急事態宣言の影響を受けても特に給付が行われていませんでした。
そこで飲食店以外にも最大60万円の給付が行われることが決まりました。
「緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金」です。
この制度ちょっとややこしいので詳しく解説したいと思います。
なお、今回は2021年2月14日までに経済産業省が発表している情報を元に解説しています。
※情報のアップデートがあれば更新します。22日新情報が入りましたので追記しました。
参考:経済産業省 緊急事態宣言の再発令に伴う経産省の支援措置について
緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の概要
まずは緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の概要からみていきましょう。
緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の給付額
緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の給付額は以下の計算で決まります。
前年又は前々年の対象期間の合計売上 ー 2021年の対象月の売上×3ヶ月
つまり、緊急事態宣言がでている間の売上の落ち込み分を支給するという感じですね。ただし、上限が以下の通りとなっています。
中小法人等:上限60万円
個人事業主:上限30万円
となっています。
飲食店は1日6万ですから金額はかなり少ないので不公平感はありますが・・・
2021年の対象月とは
ちなみに対象付月とは2021年の1月〜3月のうち任意に選択した月となります。
つまり、自分で選んだ月が選択できるってことですね。
一月だけ大きく落ちた月があればその月を選択できるってことになります。
計算例
例えば対象月を2月と決めて2月の売上が100万円だったとします。
2020年の1月〜3月に売上が合計1,000万円だったとすると1,000万円(前年の対象期間の合計売上)ー300万円(2021年の対象月の売上×3ヶ月)
となります。計算結果は700万円となりますが、上限がありますので中小法人なら60万円、個人事業主なら30万円支給されることとなります。
緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の対象者
ちょっと複雑なのが緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の対象者です。
具体的には以下の2つが条件となります。
緊急事態宣言に伴う飲食店時短営業又は外出自粛等の影響を受けた事業者
2019年比又は2020年比で、2021年の1月、2月又は3月の売上が50%以上減少した事業者
後者の売上50%以上減少は持続化給付金なども同じ条件でしたし、わかりやすいと思いますが、問題は前者です。
影響を受けたというのがどの程度までが入るのかちょっとわかりにくいんですよ。
一応、経済産業省では以下のように例示しています。
出典:経済産業省 緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の概要についてより
かなり具体的には出ていますが、実際この業種はどうなんだ?とかいろいろ出てきそうですね。
以下のような注意書きもあります。
例示している事業であれば必ず給付対象となるわけではございません。また、例示事業に該当しなくとも条件を満たせば給付対象になります。
出典:経済産業省 緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の概要
質問フォームで聞いておこう
ちなみにそのあたりを想定してなのか緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金についての質問フォームが用意されています。
個別に回答は来ないようですが、よくある質問についてはQ&Aを作成いただけるとのことです。
緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の募集開始時期
募集開始は以下のとおりです。
2月下旬に事業確認機関での確認受付を開始し、3月初旬に申請受付を開始する予定です
出典:経済産業省 緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の概要 Q&A
緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の申請書類
緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金については申請に必要な書類と保管が必要な書類があります。
まずは申請書類です。
□確定申告書 :2019年及び2020年の確定申告書
□売上台帳 :2021年の対象月の売上台帳
□宣誓・同意書 :2月中旬に所定の様式を公表予定
□本人確認書類(個人事業主の場合)
□通帳 :銀行名・支店番号・支店名・口座種別・口座番号・名義人が確認可能なページ
□事業確認通知(番号):事業確認機関が発行する事業確認通知(番号)
持続化給付金のときにはなかった事業者確認通知という書類が追加されています。
これは詳しくは後述しますが、認定経営革新等支援機関などに事業確認をしてもらった証となる書類となります。
また、確定申告は2019年及び2020年の確定申告書両方が必要となるとのこと。
この一時金をもらいたい方は早めに確定申告をするほうが良いかもしれません。
緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の保管書類
次は保管書類を見ておきましょう。
保管すべき書類は商売の内容によって変わってきます。
例示されているのは以下のとおりです。
<飲食店と直接取引をしている事業者>
★●取引している飲食店の基本情報の保存
★●2019年から2021年3月の間における同事業者との取引を示す書類の保存 等
<その他の事業者>
★●顧客事業者の基本情報の保存
★●2019年から2021年3月の間における同事業者との取引を示す書類の保存
●自らの商品が宣言地域の飲食店に届いていることを示す書類の保存
★●主に対面で個人向けに商品・サービスの提供を行っていることを確認できる書類の保存
●宣言地域の個人顧客との取引を示す書類の保存
★●取引している事業者の基本情報の保存
★●2019年から2021年3月の間における同事業者との取引を示す書類の保存
●顧客事業者が、主に対面で宣言地域の個人向けに商品・サービスの提供を行っていることを示す書類
なかなか用意が難しそうな書類もありますね。このあたりは事業確認をしてもらう認定経営革新等支援機関等に相談するとよいかもしれません。
緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の申請の流れ
申請の流れも少々ややこしいです。
以下が大まかな流れとなります。
まずアカウントを作り、事業確認通知書を作ってもらうために認定経営革新等支援機関等に予約。
事前確認してもらって事業確認通知書をもらい書類を送付という流れとなります。
事業確認とは
今回の緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金のポイントになりそうなのが事業確認通知です。
一時支援金を誤って受給してしまうことを防ぐため、申請予定者が、①事業を実施しているのか、や②一時支援金の給付対象等を正しく理解しているか等を事前確認します。
出典:経済産業省 緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の概要
持続化給付金の不正が多かったこともあり、一旦街の認定経営革新等支援機関等に確認してもらおうという感じなのでしょう。
登録確認機関とは
事業確認ができるのは以下の条件を満たして登録確認機関として登録をした機関となります。(以前の情報では事業確認機関という名称でしたが変更になったようです)
・認定経営革新等支援機関(中小企業等経営強化法に基づき認定を受けた税理士、中小企業診断士など)
・認定経営革新等支援機関に準ずる機関(商工会、商工会議所、中小企業団体中央会など)
・上記を除く機関または資格を有する者(税理士、公認会計士、税理士法人、監査法人、中小企業診断士)
税理士等と顧問契約を結んでいる方や商工会、商工会議所等に確定申告等を頼んでいる方はそちらに頼むのが一番簡単かもしれません。
財務状況を把握されていますしね。
それ以外の方は上記機関から探す必要があります。
※22日から登録確認機関の募集が始まっています。
公的機関にお願いするのが無難?
ただし、マニュアルを見る限りそれなりの確認が必要かつ、責任もあるのに、もらえる手数料が30件以上確認したら1件1,000円(税込)と非常に低いですから登録確認機関に登録する方はそれほど多くないかもしれません。
さらに事業確認の末、対象外の人の分の確認は手数料がもらえる件数には含まれないとのこと。
ぼぼボランティアのような条件ですね。
ですから事業確認機関に登録する方も事業確認を受けるのは顧問先や取引先限定などが多くなりそう。
または国からの報酬1件1,000円(税込)を受け取らなければ自由に価格を設定できるとのことですから有料で受ける機関が多くなりそうです。
商工会、商工会議所、中小企業団体中央会など公的なところ登録業確認機関に登録するでしょうから、そこにお願いするのが一番無難かもしれませんね。
また、金融機関も多くが登録しています。ですから借り入れ等をしている場合はその金融機関にお願いするのが簡単でしょう。
ただし、開始する時期が商工会、商工会議所の繁忙期(確定申告時期)であることから会員限定など制限する機関もでてきそうです。
なお、河合中小企業診断士・社会保険労務士事務所での事前確認は以下の方針とさせていただいております。
まとめ
今回は最大60万円。飲食店以外にも給付【緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金】を解説と題して緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金についてみてきました。
持続化給付金の不正が多かったこともあったのでしょう。
ちょっと要件がややこしいですし、事業確認が必要だったり手間も多そうです。
対象となりそうな方は早めに動くのが良いかもしれませんね。
また新しい情報がありましたがこちらの記事を更新したいと思います。
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