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4月1日から総額表示の義務化されることをご存知ですか?税抜き表示の方は要確認

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最近いろいろな企業から総額表示への修正依頼のお願いが届きます。

2021年4月1日から価格表示について「総額表示(税込価格)」が義務化されるためです。

消費税関連のセミナーなどでは毎回お話している内容なのですが、まだ準備をできていない企業が多いこともあり、新型コロナの関係もあるので延期してくれないかな??って密かに思っていたルール変更でした。

しかし、延期をすることもなく予定どうりとなりそうです。

そこで今回は価格の総額表示義務について詳しく解説していきます。

商品数などが多いとかなり大変でしょうから早めに準備をしてくださいね。

目次

総額表示の義務は2013年から緩和されていた

実は総額表示の義務化はかなり前から実施されています。

ちょっとややこしいのでその歴史から簡単に振り返っておきましょう。

まず、消費税が導入(1989年)されてからしばらくたった2004年から消費税込みの価格で表示する総額表示の義務が導入されました

しかし、2013年10月から消費税引き上げを円滑にすすめることを目的として総額表示の義務を課さない特例が導入されていました。

総額表示は努力義務となった感じですね。

その際に定められた特例の期限は何度か過ぎましたが、消費税の増税が2度延期したことなどもあり、総額表示の特例も延期され、今までずっと緩和され続けてきたのです。

それがとうとう終わるということですね。

つまり、2013年から続いた経過措置がようやく?終わるということです。

総額表示の義務の内容

それではここから総額表示の詳しい内容を見ていきましょう。

総額表示が必要となる取引

総額表示が必要となる取引は以下のとおりです。

消費者に対して、商品の販売、役務の提供などを行う場合、いわゆる小売段階の価格表示をするときには総額表示が義務付けられます。

 事業者間での取引は総額表示義務の対象とはなりません。

出典:国税庁 「総額表示」の義務付け

つまり、消費者向けに対しての部分すべてが対象になるということです。

なお、事業者間の場合は総額表示義務の対象となりません。

総額表示義務の対象となる媒体

なお、総額表示義務の対象は店頭だけの話ではありません。

WEBページ、新聞、チラシ、看板、テレビCM、商品カタログ、メニュー表、タグなど消費者に対して行われる価格表示はすべて対象とされます。

媒体は問わないのです。

なお、WEBページは自社サイト、ECサイトはもちろん、ブログなども対象となりますので価格が書いてある部分は修正が必要となります。

具体的に明記されているわけではありませんが、ユーチューブなども当然対象となるでしょう。

口頭での価格提示は対象外

例外もあります。それは口頭での価格提示です。

こちらは今までどうりの扱いで総額表示義務には該当しません。

見積書、契約書、請求書の扱い

それでは見積書などはどういう扱いになるのでしょう?

総額表示の義務付けは、不特定かつ多数の者に対する値札や店内掲示、チラシあるいは商品カタログにおいて、「あらかじめ」価格を表示する場合を対象としていますから、見積書、契約書、請求書等については、総額表示義務の対象とはなりません。

出典:国税庁 「総額表示」の義務付け

つまり、見積書、契約書、請求書等は対象外ということです。

そうはいっても多くの見積書、契約書、請求書等は消費税額も明記していると思いますが。

どんな表記が総額表示と認められるか?

価格表示の方法はいろいろあります。

どこまでが総額表示と認められるのでしょう?

例えば税抜10,000円、税込11,000円の商品があった場合、以下の表記方法が認められます。

11,000円
11,000円(税込)
11,000円(税抜価格10,000円)
11,000円(うち消費税額等1,000円)
11,000円(税抜価格10,000円、消費税額等1,000円)
10,000円(税込11,000円)

つまり、総額である11,000円が必ず書いてある必要があり、(税込)などの表記は任意ということです。

「10,000円(税込11,000円)」とされた表示も、消費税額を含んだ価格が明瞭に表示されていれば、「総額表示」に該当します。

今まで可能だった10,000円(税抜)や10,000円(税別)、10,000円+税みたいな表示は不可ということになります。

なお、端数処理の考え方は今までと同じです。

なお、総額表示に伴い税込価格の設定を行う場合において、1円未満の端数が生じるときには、その端数を四捨五入、切捨て又は切上げのいずれの方法により処理しても差し支えありません。

出典:国税庁 「総額表示」の義務付け

総額表示が必要となる時期

今まであった総額表示の経過措置は2021年3月31日までとなっております。

つまり、総額表示が義務となるのは

2021年4月1日〜

となります。

多くの商品を抱えている事業者の場合にはかなり総額表示への適用は時間が掛かると思います。

早めに準備に取り掛かってください。

なぜ総額表示を義務付けるのか?

なぜ総額表示を義務付けるのか疑問に思う方も多いでしょう。

これは財務省によると以下の理由となります。

それまで主流であった「税抜価格表示」では、レジで請求されるまで最終的にいくら支払えばいいのか分かりにくく、また、同一の商品やサービスでありながら「税抜価格表示」のお店と「税込価格表示」のお店が混在しているため価格の比較がしづらいといった状況が生じていました。

「総額表示の義務付け」は、このような状況を解消するために、消費者が値札等を見れば「消費税相当額を含む支払総額」が一目で分かるようにするためのものです。

出典:財務省「消費税における「総額表示方式」の概要とその特例」より

つまり、消費者にわかりやすくするためということですね。

暗算が得意でない人だと税抜き表示となっていると「ぱっと」いくらかわかりにくいですもんね。

また、お店によって税抜となっていたり、税込みとなっていたりするので比較をしにくいというデメリットもあります。

全部のお店が総額表示となれば公平ですし、比較しやすくなりますから消費者に分かりやすくなるのです。

個人的にはもう一つ理由があると思います。

今後、消費税を更に上げやすくするという部分ですね。。。

総額表示の義務を怠った場合どうなる?罰則は?

総額表示の義務に違反した場合どうなるのでしょう?

結論から言えば罰則は定められていません

ただし、大手から商品納入を受けているケースなどでは取引中止などの可能性もありますので早めに対応するのが良いでしょう。

実際に大手企業からある事業者さんのもとに以下のような案内届いています。

総額表示の義務につきまして、ご対応頂けない場合は契約解除となることもありますので、お早めに表記のご確認、ご対応のほど何卒お願い申し上げます。

また、罰則はなくても行政指導などはあり得るとのことです。

他にも最近はSNSなどの発展で義務を履行していない企業に対しての風当たりが強くなっています。

総額表示このお店やってないぜと晒されたりなんてこともあり得るでしょう。

義務に対して適切に対応することは今まで以上に重要となってきていますね。

価格の変更も検討が必要?

また、現状の価格設定の状況によっては価格自体を変更することも検討してもいいかもしれません。

リンガーハットの事例

例えば長崎ちゃんぽんの「リンガーハット」では今回の総額表示の件に合わせて3月1日から総額表示として価格も改定します。

具体的には総額表示になった際に10円単位となるように価格を改定するのです。

新型コロナの関係もありますし、レジを少しでも早く行うための措置とのこと。

なお、メニューによって値上げとなるものと、値下げになるものとわかれます。

例えば

長崎ちゃんぽんは現行649円(税込)だったのが650円に値上げ。(東日本)

逆に皿うどんは682円(税込)だったのが680円と値下げとなります。(東日本)

まとめ

今回は「4月1日から総額表示の義務化されることをご存知ですか?税抜き表示の方は要確認」と題して総額表示の義務化についてみてきました。

商品数が多い企業さんは対応が大変でしょうから早めに動きましょうね。

また、チラシやメニュー表、ブログなど価格が書いてあれば対応が必要となります。

そちらも漏れがないようにチェックしてみてください。

私も運営しているサイトでかなりいろんな種類の商品やサービスの価格表示をしていますので見直しをしなくては・・・

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

岐阜県岐阜市在住、美濃加茂市出身で岐阜県・愛知県を中心に活動させていただいている経営コンサルタント(中小企業診断士・社会保険労務士)。財務面のみならず、WEBマーケティング、人事、労務、価格改定、管理会計など経営全般の改善を行うコンサルティングを行っている。セミナーでは全国の商工会議所、商工会、中央会、法人会、各種団体、企業様などで、のべ700箇所以上、25,000人以上、47都道府県すべてで登壇実績があり難しい制度をわかりやすく伝えるセミナーには定評がある。また、金融系WEBサイトを新規で立ち上げ、企画から制作、運営まで一人で行い年間1,000万を超えるアクセスを集める人気サイトに育てるなど幅広く活躍している。

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