Coco壱番屋が産業廃棄物として排出したビーフカツをその処理を依頼された産業廃棄物処理業者が不正に転売し流通した問題が話題になっています。世の中の論調ではCoco壱番屋は被害者で産業廃棄物処理業者のダイコーと転売先のみのりフーズが悪いとなっています。これはある意味正しい面もあります。産業廃棄物処理業者のダイコーと転売先のみのりフーズが悪意を持って不正転売しているからです。逆にCoco壱番屋の迅速な対応もありCoco壱番屋の株価は上がっているなどの評価される方向に有ります。しかし、本当にCoco壱番屋の責任はないのでしょうか?
本日はCoco壱番屋の責任問題とどうすれば不正利用されなかったのかを考えて見たいと思います。
Coco壱番屋に責任はないのか?
まず、Coco壱番屋の責任問題について考えてみたいと思います。
この事件はCoco壱番屋が排出したビーフカツを産廃依頼したダイコーが不正転売したことに端を発します。
そして、Coco壱番屋には産廃業者のダイコーが適正に処理したと虚偽のマニフェストを提出しています。
つまり、Coco壱番屋は適正に処理したと思っており悪意はないと思われます。
しかし、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」では産業廃棄物の排出する事業者は以下の責任が求められています。
「事業者は、前二項の規定によりその産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、当該産業廃棄物の処理の状況に関する確認を行い、当該産業廃棄物について発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程における処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるように努めなければならない。」
努めなければならないなので努力義務ですが、最終処分が終了するまでの排出した事業所に責任があるということなのです。
どうすれば産廃が不正利用されなかった?
ではどうすればビーフカツなどの廃棄物が不正利用されなかったのでしょうか?
以下の方法などが考えられるでしょう。
◯自社で処理する
こちらは投資も要することから現実味が薄いですが
自社の目の届く範囲で処理するということが一番確実ではあります。
そのため産廃の免許を取得し、設備を用意し
自社もしくは関連会社等で処理することが考えられます。
◯転売できない状況での廃棄
こちらが一番現実的でしょう。私が昔いた会社でも廃棄の際はこれを確実にやっていました。
今回、Coco壱番屋はそのまま転売できる状態で廃棄しておりますが
例えば
袋に穴をあけておく、
色をつける、
潰す
賞味期限が完全に切れてから廃棄
などなどが考えられます。
産廃に関する費用がさらに増えてしまいますが
これらを実施するだけでもこの転売は防げたかもしれません。
◯最終処分の確認をする
他に考えられるのが前述の条文にあるように最終処分の確認をすることが考えられるでしょう。
定期的な抜き打ち検査などをするだけでもぜんぜん違うと思われます。
ただ実際にこれをやろうとするとかなり大変でしょう。。。
◯業者の選別
もう一つ考えられるのが業者の選別でしょう。
ただこちらも現実的に考えるとなかなか難しいかもしれません。
帝国データバンクなどの信用機関をつかっても
業績などのことまではわかりますが不正の可能性は判別しにくいです。
現場を見て、取引先の社長と話して適正に処理ができ、信用できる会社なのか
判断するしかないのかもしれません。
まとめ
今回産業廃棄物の不正利用事件は、氷山の一角で今後広がっていきそうな気配があります。
Coco壱番屋は迅速な対応で好感が持てますが、そもそも起こらないようにすることが大事だと考えます。
産業廃棄物の処理を依頼する側、処理をする側、運搬する側、それぞれが責任をもって不正が起きない仕組みを構築することが必要でしょう。