7月30日から事業再構築補助金の第3回公募が開始されました。(申請受付は8月下旬を予定)
事業再構築補助金は今回がはじめての補助金ということもあり、試行錯誤なのでしょう。
第1回から2回と同様に第3回も大きく内容が変わってきています。
これだけ変わってしまうと認定支援機関の方でも情報を追っていかないと間違えてしまいそうですね・・・
今回は事業再構築補助金の第3回目公募内容を第1回、第2回との変更点を中心にみていきます。
なお、事業再構築補助金ってなんだっけ?って方はこちらの記事からご覧ください。
事業再構築補助金第3回公募からの主な違い
第1回目から第2回目もそうでしたが、細かい点、制度全体に関わることを含めいくつか変わっています。
細かい点を含めかなり変わっていますが、個人的に重要だと思うポイントをみていきます。
なお、第1回から第2回の変更点は下記ページを御覧ください。
こちらの変更点は第3回目でも有効となっています。
最低賃金枠の創設
まず、事業再構築補助金の第3回公募の変更の一番のポイントは「最低賃金枠」が導入されたことでしょう。
最低賃金枠とは業況が厳しく、最低賃金近傍で雇用している従業員が一定割合以上の事業者について、補助率を3/4に引上げ(通常枠は2/3)、他の枠に比べて採択率を優遇するというものです。
具体的には通常の条件にプラスして以下の条件を満たすと対象となります。
◯通常枠の要件に加え、 2020年4月以降のいずれかの月の売上高が対前年又は対前々年比で30%以上減少または2020 年 4 月以降のいずれかの月の付加価値額が対前年又は前々年の同月比で 45%以上減少していること
◯2020年10月から2021年6月の間で、3か月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上
売上もしくは付加価値が大きく落ちており、最低賃金+30円以内で雇用している従業員がそれなりにいる企業という条件ですからハードルは高めですね。
緊急事態宣言特別枠と同じく採択も優遇されますし、条件に該当するなら最低賃金枠を選択するのがよいかもしれません。
1回の採択率も緊急事態宣言特別枠とそれ以外ではかなりの差がありましたしね。
なお、補助金額や補助率も緊急事態宣言特別枠と同様になっています。
補助金額:
・従業員数5人以下 :100万円~500万円
・従業員数6~20人 :100万円~1,000万円
・従業員数21人以上 :100万円~1,500万円
補助率:
中小企業3/4、中堅企業2/3
大規模賃金引上枠の創設
もう一つ枠が新設されています。「大規模賃金引上枠」です。
こちらは従業員101人以上の企業が対象となっています。
その名前のとおり多くの従業員を雇用しながら、継続的な賃金引上げに取り組むとともに、従業員を増やして生産性を向上させる中小企業等の事業再構築を支援するものです。
なお、大規模賃金引上枠はすべての公募回の合計で、150 社限定となっています。
こちらは通常の条件にプラスして以下の条件を満たすと対象となります。
◯補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から 3~5 年の事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を年額 45 円以上の水準で引き上げること
◯補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5 年の事業計画期間終了までの間、従業員数を年率平均 1.5%以上(初年度は 1.0%以上)増員させること
こちらもかなりハードルは高めですね
なお、大規模賃金引上枠の補助金額、補助率は以下の通りとなります。
補助金額:
8,000万円超〜1億円
補助率:
・中小企業等2/3(6,000万円超は1/2)
・中堅企業1/2(4,000万円超は1/3)
緊急事態宣言特別枠は継続
第2回の公募時点では2回までと明記されていた緊急事態宣言特別枠ですが、第3回も実施される事になりました。
東京や沖縄をはじめとして緊急事態宣言が継続してて出ている地域もありますからね。
なお、今後第4回等で再度実施されるかは今後の緊急事態宣言の状況次第でしょう。
補助率が高い緊急事態宣言特別枠を利用したい方は第3回目で提出する方が確実だと思います。
通常枠の補助金額が変更
通常枠も補助金額に変更が加えられました。
従業員数に応じて補助金の上限が変わるようになります。
具体的には以下の通り。
今までは従業員数に関わらず補助額 100万円~6,000万円でしたから従業員20人以下の企業にとっては補助金額上限が下がる。
逆に従業員51人以上の企業にとっては補助金上限が上がるってことですね。
申請不備の対応
これはかなり大きな変更かもしれません。
書類の不備等で申請要件を満たさなかった事業者に対して申請期限に余裕があるなら事前に通知をしてくれるようになります。
すでに採択結果が出ている第1回でも全体で13.5%もの申請が申請要件を満たさずはねられています。
しかも多くはWordファイルが開かないとかそんなレベルだったよう・・・
ですからその不備を事前に知らせてくれるのはありがたいですね。
ただし、早くに申請した場合だけですから第3回以降についてできるだけ早めに申請をすることでそのような不備を事前に回避できるので有利に働きそうです。
売上高減少要件の変更
次はもう少し細かな話になりますが、売上高減少要件の期間はまた変更となっています。
ややこしいのでそれぞれの募集回の条件を比較してみましょう
第1回:「申請前の直近6カ月」のうち任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年または2020年1月~3月)の同3カ月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
第2回:「2020年10月以降の連続する6カ月」のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年または2020年1月~3月)の同3カ月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
第3回:「2020年4月以降の連続6カ月のうち任意の3カ月の合計売上高がコロナ以前と比較して10%以上減少し、かつ、2020年10月以降の連続6カ月のうち任意の3カ月の合計売上高が5%以上減少していること
第3回でだいぶ緩和された形ですね。2020年4月~9月が対象に含まれたことで対象となる企業がかなりいそうな予感があります。
また、第3回から売上高ではなく付加価値額の減少でも対象となるようになりました。具体的には以下の通り。
2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計付加価値額が、コロナ以前の同3か月の合計付加価値額と比較して15%以上減少しており、2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計付加価値額が、コロナ以前の同3か月の合計付加価値額と比較して7.5%以上減少していること
新規性要件の緩和
事業再構築補助金は再構築指針の条件が厳しく門前払いとなっていた事業がかなりありました。
しかし、第3回からはそれらもかなり緩和されます。
具体的には新たに取り組む事業の「新規性」の判定がかなり緩和されるのです。
今までは「過去に製造等をした実績がない」という条件だったのが
という形で改められたのです。
これでかなり門戸が広がった感がありますね。
まとめ
今回は「事業再構築補助金第3回の公募開始。申請条件が大幅に緩和へ」と題して事業再構築補助金第3回の公募内容の変更点を見てきました。
新たな枠が創設されたり、売上減少要件や申請要件の緩和がありますので申請できる方がかなり増えた感があります。
該当される方は検討してみてくださいね。
なお、当事務所の補助金支援の内容及び料金については以下の記事を御覧ください。
丸投げ申請等の依頼は承っておりません。
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