MENU

飼い猫がFIPで下半身麻痺に。モルヌピラビルでの治療日記

当ページのリンクには広告が含まれているものがあります

かなり久々のブログとなりました。

実はその間に飼い猫がFIP(猫伝染性腹膜炎)というかなり大きな病気となってしまったんですよ。

しかもそれにより下半身麻痺に。

毎週の病院通い+猫の介護及び投薬でかなり大変でした・・・

目安の84日の治療期間が終了しましたので、同様のことになった方のために闘病日記を記しておきたいと思います。

特に高齢猫のFIPの事例はネットでもぜんぜん見つからなかったので参考になれば幸いです。

目次

FIP(猫伝染性腹膜炎)とは

まずは今回の話の前提となるFIPについて書いておきましょう。

FIPを簡単に言えば多くの猫が保有している猫コロナウィルスが突然変異して暴走する病気です。

少し前までは致死率99%

治療方法も確立されていなかったんですよ。

しかし、昨今の人の新型コロナウィルスの蔓延で研究が進んだことで状況が大きく変わりました。

人の新型コロナウィルスの治療薬がFIPにも効くことが分かり治る病気になってきたのです。

それでもまだまだわからないことが多く、最近でも中川翔子さんの猫さんがFIPでお亡くなりになって話題になりました・・・。

FIPと診断されるまで

まず、FIPと診断されるまでの話から見ていきましょう。

ここまでがもう少し早ければ状況も変わっていたのに・・・と悔やまれるところです。

かかりつけの病院1回目の診察

まず、どんどん痩せていく様子に気づきました。

もともと少し太り気味だったのですが、新しく迎えた子猫と追いかけっこをすることが多くなり、運動量が増えたためダイエットが成功したのかと思っていました。

しかし、徐々におやつも興味にもあまり示さなく・・・

さらに猫の足元がふらつき始めたのです。

そこで、かかりつけの近所の動物病院に連れて行くことにしました。

そこでは血液検査を行いましたが、特に異常は見られず、「痩せすぎ」が原因ではないかとの診断でした。

医師からは、とにかく好きな餌をたくさん食べさせて体重を戻すようにと言われました。

しかし、食欲がなく食べてくれないので総合栄養食ちゅーる、エナジーちゅーるをあげることに。

これらはなんとか食べてくれました・・・

かかりつけ動物病院2回目

しかし、その後数日でふらつきがさらに悪化し、バランスを崩して倒れるようになりました。

そのため、急遽4日後に再度診察を受け、ふらついている動画を見せたところ、「動脈血栓塞栓症」の疑いがあるとして、CTとエコー検査を行うことに。

動脈血栓塞栓症は、血栓が血管を詰まらせることで下半身麻痺を引き起こすものです。

亡くなってしまう猫もいる結構重い病気です。

心臓が肥大しているとのことでその可能性が高いとのこと。

ただし、かかりつけの病院では設備が足りなく十分な診断ができないし、治療薬は高額で常備していないとのことで、大学の動物病院を紹介されました。

その日は金曜日であったため、翌営業日の月曜日の予約となりました。

しかし、動脈血栓塞栓症は急激に悪化するからそれまで持たないかもしれないと脅されます・・・

かかりつけ動物病院3回目

大学の動物病院の予約日(月曜)を待つ間、ふらつきが悪化し、日曜日にはほとんど歩けない状態に・・・

緊急の対応として再度かかりつけの動物病院に行き、応急処置として注射と薬(ステロイド)をもらいました。

大学動物病院:1回目

大学動物病院では、CT、エコー、血液検査を改めて実施してもらいました。

その結果、かかりつけ動物病院で予想してもらった「動脈血栓塞栓症」ではない可能性が高いとのこと。

心臓には確かに少し肥大が見られましたが、大きな問題はなさそうでした。

一方で、腹水が確認され、一部の臓器に影、血液検査の結果にも炎症があることから「リンパ腫(がん)」と可能性は低いものの「猫伝染性腹膜炎(FIP)」が浮上しました。

確定診断のために後日MRI検査と組織採取を行うことになりました。

大学動物病院:2回目

次の診察では、全身麻酔をかけてMRI検査、腹水の採取、臓器の細胞採取などを行いました。

MRIの結果、「リンパ腫」や腫瘍は見つかりませんでしたが、骨髄全体に炎症があることがわかり、これが足の不調の原因と推測されました。

そこで浮上したのが「猫伝染性腹膜炎(FIP)」です。

FIPは若い猫の病気で高齢猫のケースはかなり少ない。

さらに血統書付き、オス猫のケースが多く、高齢で雑種(黒猫)でメスというのはかなりレアとのことでした。

担当の獣医さんは一度も見たことがないケースだそう・・・

そのため、他の病気の可能性もあることから、腹水から採取した細胞をFIP等の検査に出しました。

大学動物病院:3回目 FIP確定

結果が出るまで1週間とのことでしたが、徐々に悪化してしまいます。

歩けなくトイレも自分でいけないレベルになり、おむつ生活に・・・

検査の結果はFIP陽性。

ちなみに病気が確定する前ではじめにかかりつけ動物病院にいってから3週間くらい掛かっています。

ここがもう少しスムーズだったなら・・・って後悔しているところですね。

そうは言ってもどうしようもないので治療を開始することに。

少し前まではFIPになってしまうと中国でGS-441524という薬を模倣して作られた高額な「MUTIAN(ムティアン)」しか選択肢になく、治療費がかなり必要になりクラウドファンディングでもよく見かけたそうとのこと。

MUTIANは模倣商品で倫理上に問題あることや有効成分の実際の含有量が公開していないことなどから大学病院では使えなかったそう。

しかし、最近は新型コロナウイルスの蔓延で研究が進んで状況が変わってきたのです。

国内でも人の新型コロナウイルス用に承認されているモルヌピラビルやレムデシビルが猫のFIPにも効くことがわかったんですよ。

うちは先生の勧めでモルヌピラビルの商品名「ラブゲリオ」を使うことになりました。

12時間ごとに毎日同じ時間に84日毎日飲ませるという結構シビアな薬なんですけどね。

FIP確定後

ラブゲリオの投薬はかなり大変。

薬は猫には大きいカプセル型で、確実に全量飲ませる必要があるため、おやつに混ぜるとかは禁止です。

そのため、猫を固定して無理やり飲ませるのですが、抵抗がひどく苦労しましたね。

手は爪の後だらけに笑

毎日大変でした。

メディボールや投薬機なんかも使ってみましたが、あまり効果的ではなかったですね。

苦労しましたが、効果はすぐに現れます。

食欲が復活。

よく食べてくれるように。

体重も1キロ以上落ちていましたが、みるみる回復していきました。

辛くなくなったのか表情も明るい感じに戻ってきました。

しかし、足は良くなりません。

むしろ悪化している感も。。。。

大学動物病院:4回目 投薬9日目

翌週の病院では足の状態の確認です。

その結果、モルヌピラビルを最大容量与える方針に変更。

それで様子をみることに。

その結果なのか元気さはどんどん戻ってきました。

食欲はかなり旺盛。

下半身麻痺で立てない歩けない状況は変わりませんが、前足だけで匍匐前進のような歩き方をマスターしてかなり早い速度で移動はできるように。

大学動物病院:5回目 投薬16日目

5回目の病院では血液検査を実施しました。

血液検査の結果はベンチマークとしている炎症の値等は少し収まってきましたが、まだ標準よりは高い水準とのことでした。

足の状況はほとんど変わらず。

大学動物病院:6回目 投薬22日目 ステロイド併用開始

足もぜんぜん良くなっていないのでモルヌピラビルに追加でステロイドを飲ませることに。

モルヌピラビルはあくまでFIPウイルスの増殖を抑える薬です。

それを飲むだけで炎症がおさまるわけではないんですよ。

ステロイドは炎症を抑える効果があるとのこと。

それで様子を見ることに。

大学動物病院:7回目 投薬32日目

血液検査の結果はベンチマークとしていたα1AGなどは標準値になりました。

当初は2,000以上だったのが、1,620→648と日に日に改善。

標準圏内に。

下半身の状況は変わらないためステロイドをさらに増やして様子をみることに。

なお、この頃から薬を飲むのに慣れてくれたのか、投薬に苦労はしなくなっています。

大学動物病院:8回目 投薬39日目

血液検査はその他の結果もほぼ標準に。

しかし、神経科の先生が詳細に確認しても足の麻痺は治っておらず現状維持。

他の病気が併発している可能性も考え再度のMRIも検討することに。(25万円程の費用かかりますが。。。)

大学動物病院:9回目 投薬45日目 立ち上がる

84日の半分を超えたくらいから状況が変わってきます。

ふらふらながらも立ち上がったり、歩けるように改善したのです。

病院でもその状況が確認できたので、MRIはとりえず保留。

ステロイドの効果なのか時間薬だったのか不明のためもう1週ステロイドを延長することに。

大学動物病院:10回目 投薬51日目

先生がインフルで診察中止。薬だけもらう形に。

この頃にはふらつきながらも走れるように

ただし、トイレは制御できないのか、力が入るとしてしまうためおむつを継続

大学動物病院:11回目、12回 投薬64日目〜71日目

牛歩ながらよくなっている感。

ジャンプできる高さも高く。

病院ではその様子を見せてくれなく現状維持との判断。

トイレも改善の様子はなし

大学動物病院:13回目 投薬79日目

足は徐々に回復。

他の猫と追いかけっこするように(コケるけど)

トイレも連れて行くと自力でできる時も(少し回復)

血液検査の結果は良好で予定どうり84日で投薬終了することに。

ステロイドはすぐにやめられないため、ちょっとずつ減薬

84日モルヌピラビル投薬完了

とりあえずモルヌピラビルを84日目の最後まで薬を飲まして、元気さや食欲は完全回復。

下半身麻痺だった足もだいぶ回復し、少しふらつくときはありますが、かなり歩ける、走れる、ジャンプできるように。

トイレはまだ自分でできずおむつ生活

という状況になりました。

掛かったお金

なお、掛かる費用は病院によって異なると思いますが、うちの場合はトータルで軽自動車一台買えるくらいでした。

大学病院でMRI等の検査を行ったこともあるので少し高くなりましたが、モルヌピラビルだけなら40万円ほどでした。

うちの場合は国内で人用で認可されているラブゲリオでしたので少し高かったですが、インドで出ているジェネリック品を使う病院ならかなり安いかと思われます。

まとめ

投薬、通院(半日仕事)、おむつ交換などの介護と本当に大変な3ヶ月くらいでした。

しかし、苦労したかいもあり体調は回復し、歩けるようになったのはありがたいですね。

あとはおむつが外せるようになるのを期待したいのと、再発がないことを祈るばかりです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

岐阜県岐阜市在住、美濃加茂市出身で岐阜県・愛知県を中心に活動させていただいている経営コンサルタント(中小企業診断士・社会保険労務士)。財務面のみならず、WEBマーケティング、人事、労務、価格改定、管理会計など経営全般の改善を行うコンサルティングを行っている。セミナーでは全国の商工会議所、商工会、中央会、法人会、各種団体、企業様などで、のべ700箇所以上、25,000人以上、47都道府県すべてで登壇実績があり難しい制度をわかりやすく伝えるセミナーには定評がある。また、金融系WEBサイトを新規で立ち上げ、企画から制作、運営まで一人で行い年間1,000万を超えるアクセスを集める人気サイトに育てるなど幅広く活躍している。

目次