トランプの相互関税(追加関税)で経営危機?中小企業が今すぐすべき対策とは

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トランプの相互関税(追加関税)で経営危機?中小企業が今すぐすべき対策とは

2025年4月、トランプ政権は全ての貿易相手国に対し最低10%、対米貿易黒字が大きい国には20~49%の追加関税を課す「相互関税」を発表しました。

中国は対抗措置をとったこともあり、145%の追加関税となります。

対抗措置を取っていない国には90日の猶予期間が与えられましたが、この措置は世界経済に大きな影響を及ぼし、多くの業種がその影響を与えるでしょう。

特に資金力や人材リソースが限られる中小企業は、関税によるコストアップや取引先の混乱で大きな影響を受けかねません。

この記事では、中小企業がどのような影響を受けるのか具体的に解説し、今すぐできる現実的な対策をご紹介します。

目次

トランプの相互関税とは

まずは今回の話の前提となるトランプの相互関税について簡単に説明しておきましょう。

トランプの追加関税の内容

・全ての国からの輸入品に一律10%の関税を課す
・対米貿易黒字の大きい国に対しては追加で20〜49%の関税を上乗せ

​各国の関税率や非関税障壁(付加価値税、補助金、規制など)を考慮し、税率は決めているとのこと。

日本は24%、その他主な国・地域では欧州連合(EU)の税率は20%、中国は34%、韓国は25%、インドは26%となっています。

英国は最も低い10%です。

なお、中国はこのトランプ関税に対抗措置を取ったことにより、アメリカもさらなる対抗措置を取り、累計145%となると発表されています。(当初は125%との発表でしたがさらに上乗せされました)

他に高税率となっているのはカンボジア49%。ベトナム46%、スリランカ44%です。

90日間の延期

なお、本関税は4月9日に発動しましたが、報復措置をとらず、問題の解決に向けて協議を要請してきている国などに対しては90日間の停止が発表されています。

具体的な対象国は発表されていませんが、日本も含まれるものと思われます。

ただし、ベースとなる一律10%の関税やすでに発動された自動車に対する25%の追加関税はそのまま実施とのこと。

国内中小企業への影響

それでは中小企業への影響について考えて見ましょう。

価格競争力の低下

まずアメリカ向けへの輸出について価格競争力が低下し、売上が落ちるリスクがあります。

取引の中止や縮小など、直接的な影響も懸念されるでしょう。

価格を維持するとなれば利益率の大幅低下となります。

仕入れコストの上昇

アメリカに輸出していない企業も間接的に影響を受ける可能性があります。

特に中国から仕入れをしている場合です。

中国は今回の相互関税に対抗措置を取っています。

そのため、中国が米国から部品や原材料を調達する際のコストが上昇し、製造コスト全体が増加することが想定されます。

そのため、間接的、直接的に仕入れのコストが上昇する可能性がでてきそうです。

特に電子機器や機械部品、金属材料を使う製造業などが特に影響を受けやすくなりそうです。

サプライチェーンの混乱

取引先が関税影響で調達先を変更したり、経営不振に陥ったりすることで、間接的に自社のサプライチェーンが混乱することがあります。

自社が輸入を行っていなくても油断できません。

景気の悪化

また、アメリカ、中国は当然ですが、世界全体の景気が悪化する可能性も想定しなければならないでしょう。

為替への影響も考えられます。

アメリカの景気が減速すれば円高に振れる可能性も高いでしょう。

中小企業が今から取り組むべき具体的対策

それでは具体的に中小企業が取り組みべき対策について具体的に見ていきましょう。

売り先、仕入先の見直しと分散化

まず、売り先と仕入先の見直しと分散です。

売り先と仕入れ先が特定の国に偏っていませんか?

特に米国、中国依存度が高い場合、代替先の確保が急務です。

売り先については欧州やアジア。

仕入れ先については東南アジア諸国(タイ、ベトナム、インドネシアなど)や、国内調達の再評価も検討しましょう。

ただし、東南アジア諸国も今回の相互関税で高い税率が課せられる可能性があります。

そのあたりも加味して、調達ルートを複数確保しておけばリスクヘッジにつながります。

▼活用できる支援先:調達先マッチング支援(JETRO)
https://www.jetro.go.jp/

コストアップのシナリオ分析と価格転嫁の検討

関税で仕入れ価格が上昇した場合に、どこまで価格転嫁できるかを今から分析しておくことが大切です。

顧客理解や競合との兼ね合いを考慮し、価格戦略を柔軟に準備しましょう。

▼活用できるツール:価格転嫁検討ツール(中小機構)
https://kakakutenka.smrj.go.jp/kakakukentou/index.html

また、補助金や助成金が今年もたくさん出ていますので、それらを活用して新製品開発や生産プロセスの見直し、AIやIT化によるコストダウンも視野にいれると良いでしょう。

BCP(事業継続計画)の策定と強化

関税などの外部リスクを考慮し、BCPの策定または見直しを行いましょう。

BCPとはBusiness Continuity Plan(事業継続計画)の略で、災害や緊急事態が発生した際に事業を継続・復旧するための計画。

あらかじめ想定しておくことでもしものときに動きやすくするというものですね。

また、社内での情報共有ルールや、緊急対応マニュアルの整備も有効です。

▼活用できる支援先:BCP策定支援サービス(中小機構)
https://www.smrj.go.jp/

まとめ

今回は「トランプの相互関税(追加関税)で経営危機?中小企業が今すぐすべき対策とは」と題してトランプの相互関税への対策についてみてきました。

まとめると中小企業が取るべき対策は

売り先、仕入先の見直しと分散化
コストアップのシナリオ分析と価格転嫁の検討
BCP(事業継続計画)の策定と強化

です。

トランプの相互関税の動向は常に変化しています。

日頃から最新の情報を収集し、経営戦略を機敏に調整していきましょう。

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