給料があがったのに手取りが減った・・・・
このような経験がある方も多いのではないでしょうか?
これの大半は、
給料が上がったことにより
健康保険や厚生年金の等級もあがり
給料増額分よりもそちらの負担が増えて
手取りが減ってしまうケースです。
このケースは健康保険・厚生年金の仕組みを会社側がしっかりご理解していれば
防ぐことができます。つまり、従業員さんも会社も損しなくてすむのです。
まず、健康保険と厚生年金の計算の仕組みを理解しておきたいです。
健康保険と厚生年金はこのような表にあてはめて計算します。
(金額は県により違います)
健康保険は1級〜50等級まで幅があり、
報酬額はそれぞれ月額58,000円~1,390,000円の幅があります。
厚生年金は1級から31等級までの幅あり、
報酬額はそれぞれ月額88,000円~620,000円の幅があります。
そこに自身の給料を当てはめた金額が健康保険・厚生年金となります
ただ、これは給料金額そのものではありません。
額面金額でも手取り金額でもありません。
ちょっと特殊なやり方をします。
基本的な計算方法は4月から6月の給料額の平均となります。
これには残業代や通勤手当も含めてきます。
(3ヶ月を超える期間ごとの賞与は含みません)
残業代がまずひとつのミソです。
4月〜6月の平均で1年間の健康保険と厚生年金が決まりますので
この間は残業を極力抑えるのもひとつの手なのです。
例えば、岐阜県で介護保険に該当しない3ヶ月平均を
計算した結果が30万9千円の方がいたとします。
この方の健康保険の総額は29,970円です。
半分は会社負担ですので14,985円となります。
厚生年金総額は52,422円、会社負担は26,211円です。
(個人負担と会社負担は同じ金額ですので会社の立場でお話します)
健康保険と厚生年金の会社負担合計は41,196円となります。
ではこの方が4月〜6月に残業をがんばったとします。
月に平均して千円給料が増えたとすると
この人の平均は31万円となります。
そうなると健康保険は総額31,968円 会社負担15,984円となります。
厚生年金は総額55,916円 会社負担 27,958円です。
健康保険と厚生年金の会社負担合計は43.942円となります。
2,742円の値上げとなります。
この場合、従業員さんの手取りはどうかというと税金は変わらないとして
手取りは1,742円減ってしまいます。
つまり、月1000円余分に残業代がふえたことで、会社の出費は増えて
従業員さんの手取りも減ってしまうのです。
保険料額表をみていただければわかりますが、
保険料が変わる(等級があがる)幅が1万円〜6万円あります。
つまり、この等級があがる幅の間に抑えておけば保険料が上がらないのです。
この等級を意識することで大きな差が生まれる可能性がありますので
給料額の改定や残業をする際に是非意識してみてください。
たとえば、先ほどの例でいけば給料
通勤費や残業を含めて31万円に抑えれば
30万9千円の場合よりも
会社も従業員さんも得となるのです。
もし一人に付き2000円の違いでも100人社員がいれば
毎月20万円の違いが生じます。
年間で240万円の差です。
従業員もその分負担が増えてしまいますし、
ぜひ意識して取り組んでいただきたいです。
給料改定の金額や時期もこの等級を意識することが大事です。
健康保険には他にこんな削減方法もあります
まとめ
給料改定の際や昇給、残業する際などに
標準報酬月額の等級の幅を意識することで
会社も従業員も得できるかも
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