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中小企業診断士はクソ資格なのか?

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年明けからツイッターで中小企業診断士の方や受験生が怒っている投稿が目立っていました。

なんだ??と思って調べてみたらどうやら田端信太郎氏の以下のツイートがきっかけのようです。

僕は中小企業診断士って資格はクソだと思ってます。
名刺に書いてあるだけで、残念な資格コレクター認定しますね。中小企業診断士で仕事が出来る人って知らないんだが。。。もっとも成功した「中小企業診断士」って誰? 弁護士業界の久保利センセみたいなカリスマいるの?

出典:田端信太郎氏Twitter

私は中小企業診断士ですが、この意見に腹が立つとかはせんぜんしていません。

少し前にはオリエンタルラジオの中田氏が動画でファイナンシャルプランナーを壮絶にディスって話題になっていましたが、それと同様の話でまたか・・・って感じです。

この時もファイナンシャルプランナーの方がかなり激怒していましたね。(私も2級までは持っていますので一応ファイナンシャルプランナーです)

ですが、これらの話すべての資格に言えることなんですよ。

今回はこの件について考えてみましょう。

目次

資格と実務はイコールではない

田端氏の意見は「中小企業診断士で仕事をできる人を知らない」、中田氏の意見は「ファイナンシャルプランナーは(資産運用の)知識が足りない」ってものでした。

これ二人の意見はちょっと極端な物言いですが、当然といえば当然の話ではあるのです。

それは資格の勉強=実務ではないからです。

中小企業診断士を勉強することで幅広く経営の知識を得ることができます。

ファイナンシャルプランナーは勉強することで幅広くお金の知識を得ることができます。

たとえ合格しても中小企業診断士は幅広く経営の知識をもっている。ファイナンシャルプランナーは幅広くお金の知識をもっているに過ぎません。

中小企業診断士に合格をしたからといって必ずしも会社を上手に経営できたり、コンサルできるようになるわけでもありませんし、ファイナンシャルプランナーに合格したからといって株式投資が上手くなるわけでもありません。

ですから両名の言っていることは極端ではありますが、そういう一面があるのも確かなのです。


他の資格も同様

実はこれ、他の資格でもまったく同様です。

例えば私も取得している社会保険労務士の試験内容は社会保険に関する内容を丸暗記で対応が可能です。

ですが、実務では調べれば済む話がほとんどで暗記する必要はほとんどありません。(どんどんルールは改正されますしね)

実務では就業規則の作り方や人事制度の構築、社会保険書類の書き方の方が重要なはずですが、試験にまず出題されることはありません。

税理士なんかでも同様で、税法なんかは丸暗記が必要です。

しかし、これも調べれば済む話で丸暗記する必要なんてないのです。

実際に新米税理士よりも、税理士事務所に昔から勤めている無資格のパートさんの方が実務に詳しいなんてことはよくある話です。

中小企業診断士やファイナンシャルプランナーは独占業務がありませんから余計にやり玉に上がりやすいのでしょうね。

試験制度の弊害

多くの資格が合格者の人数(合格率)をある程度決めて試験をしています。

そのため、どうしても落とす試験となりがちで試験内容と実務が乖離してしまっているのです。

そこからこのような批判が起こってしまうのでしょう。

試験に合格できたからその分野の仕事がすぐにできるような試験となっていないのです。

資格では判断できるのはあくまで・・・

つまり、資格で判断できるのはその人が中小企業診断士であれば幅広く経営の知識を持っていること、ファイナンシャルプランナーであれば幅広くお金の知識を持っていることなのです。

仕事ができるとか適切な運用商品を勧められるというのではないのです。

つまり、それらは極端な話をすれば次元の違う話なんですよ。

そこに資格合格者と外のギャップが生じてしまっているのでしょう。

ですから中小企業診断士でも仕事ができる人はたくさんいますし、仕事ができない人もいると思われます。田端氏の周りには残念ながら仕事ができない中小企業診断士ばかりいたのでしょう。

ファイナンシャルプランナーでも運用の知識を持っている方もいれば、そうでない方もいるのです。

そもそもの期待値が高すぎるのかも知れませんね。

ただし、個人的には中小企業診断士でもファイナンシャルプランナーでも資格に合格した人は無資格の人と比べてすくなくとも努力はしたというのは確実です。

ですから努力できる人という判断は資格でできる部分もあるでしょうけどね。

中小企業診断士もファイナンシャルプランナーも良い資格

ちょっと批判的なことを書いてきましたが、中小企業診断士もファイナンシャルプランナーも個人的に良い資格だと思います。

中小企業診断士

中小企業診断士は一次はマークシートで7科目(企業経営理論、財務会計、運営管理、経済学・経済政策、経営情報システム、経営法務、中小企業経営・政策)あり、二次は筆記と口述で(人事、マーケティング、運営管理、財務会計)が出題されます。

会社を経営する上でぜひ知っておきたい内容を体系的に学ぶことができます。

ファイナンシャルプランナー

また、ファイナンシャルプランナーはライフプランニングと資金計画、リスク管理(保険など)、金融資産運用、タックス・プランニング、不動産、相続・事業継承とかなり幅広い分野から出題されます。

ファイナンシャル勉強をしたからといってお金が貯まるようになるわけではなりませんが、生きていく上で知っておきたいお金の知識はつけることができるはずです。

つまり、両方の資格とも幅広くその分野を学ぶことができますからたたき台としては充分な資格なんです。

もちろんそれぞれ深さは足りませんから合格後にさらなる勉強は必要でしょうけどね。

中小企業診断士を持つ有名人

「もっとも成功した「中小企業診断士」って誰?」という部分についても考えてみましょう。

ビジネスでの成功という点ではすき家なんかで有名な株式会社ゼンショーグループ創業者の小川賢太郎さんではないでしょうか。

あとは中小企業診断士に合格はしていませんが、ワタミ株式会社の創業者である渡邉美樹さんも佐川急便で働きながら開業資金を集めつつ中小企業診断士の勉強で経営を学んでいたと以前おっしゃってましたね。

その他では早くに亡くなってしまいましたが「ほんまでっか」なんかに出演されていた金子哲雄さん

評論家の三橋貴明氏勝間和代さんも中小企業診断士合格者です。

あとは意外なところではこち亀の両津勘吉も中小企業診断士なんですよ(笑)

これよくテレビに出演している弁護士を除いて他の士業でも同様ではないでしょうか?

会計士といえば、税理士といえば、社会保険労務士といえば・・・と言われても思いつかない人がほとんどだと思います。

まとめ

今回は「中小企業診断士はクソ資格なのか?」と題して田端氏のツイートについて考えてみました。

オリラジの中田氏の発言も含めて極端な言い方にはなっていますが、試験制度の弊害もあり批判されても仕方ない部分もあるかな・・・ってのが正直な感想です。

裏を返せばそれだけ期待値が高かったってことなのでしょう。

その高い期待値に負けないだけの能力を付けていくことが必要なのでしょうね。

ただ、両方の資格とも個人的には良い資格だと思っていますよ。

最後まで読んでいただいてありがとうざいます。

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この記事を書いた人

岐阜県岐阜市在住、美濃加茂市出身で岐阜県・愛知県を中心に活動させていただいている経営コンサルタント(中小企業診断士・社会保険労務士)。財務面のみならず、WEBマーケティング、人事、労務、価格改定、管理会計など経営全般の改善を行うコンサルティングを行っている。セミナーでは全国の商工会議所、商工会、中央会、法人会、各種団体、企業様などで、のべ700箇所以上、25,000人以上、47都道府県すべてで登壇実績があり難しい制度をわかりやすく伝えるセミナーには定評がある。また、金融系WEBサイトを新規で立ち上げ、企画から制作、運営まで一人で行い年間1,000万を超えるアクセスを集める人気サイトに育てるなど幅広く活躍している。

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