新型コロナウィルスの蔓延が止まりません。
それにより各種イベントの中止などが相次いでいます。
私もセミナーなどいくつかの仕事がなくなりましたね・・・・
また、新型コロナウィルスが一つの要因で日経平均株価やNYダウが大幅に下落。
日経平均は1月前には24,000をつけていたものが19,500を割るところまで落ちています。
また、円高も急激に進展。
1週間前には1ドル110円前後だったものが101円台と9円も円高進行しています。
原油相場も急変・・・
私は株が趣味で20年近く市況を見続けていますが、ここまで急激にくるのはなかなか記憶にないレベルです。
これだけの大きな変化があると心配なのが企業への影響です。
インバウンド客をターゲットとしたビジネスやスポーツジム、カラオケ、中国との取引が大きい製造業など直接的に新型コロナウィルスのダメージを受けたところは当然ですが、これだけ規模が大きくなるとそれ以外の企業にも大きな影響が及ぶのは避けられないでしょう。
円高も急激に進展していますから輸出業者にも大ダメージとなります。
前フリが長くなりましたが、今回はこういう事態だからこそ知っておくべき資金繰りのポイントについて解説していきます。
※3/11 追加の対策がでましたので追記しました。
※4/8 新しい支援策が閣議決定されましたので追記しました。(国会で承認されるまで多少内容が変わる可能性があります)
新型コロナウィルスはリーマンショック級なのか?
約10年前の2008年9月に起きたリーマンショックを覚えている方も多いでしょう。
サブプライムローンの問題で世界的に大きな経済危機が訪れました。
今回の新型コロナウィルスに端を発した問題がリーマンショック級の経済危機に発展するかは今の時点ではなんとも言えません。
しかし、企業を経営する上では最悪の事態を想定しておく必要があります。
ちなみに私はちょうどその頃、ベンチャー企業の経理責任者で銀行からの貸し剥がしを経験し、資金繰りの重要さ、大変さを実体験しています。
当時はベンチャーキャピュタルの方、銀行支店長を歴任してきた方、監査法人の会計士の方などから様々なテクニックを学び実践してなんとか危機を乗り越えた厳しい思い出しかありませんね・・・
資金繰りさえ回ればなんとかなる・・・
しかし、リーマンショックのような状態でもお金さえ回ればなんとか会社は回っていきます。
つまり、会社の運営していく上で特に重要なのが「資金繰り」なのです。
極端な話をすればどれだけ赤字だろうが資金さえうまく回れば倒産しません。
逆に言えば資金がうまく回らないと黒字でも倒産してしまいます。
資金は企業の血液といっても過言ではないでしょう。
危機状態のときの資金繰りのポイントを順番に見ていきます。
資金支援策を利用する
まずは政府や自治体が今回の新型コロナウィルスでいくつかの緊急対策を打ち出しています。
まずはそれらをうまく活用したいところです。
今回は資金繰りの改善に役立つ緊急対策をご紹介しましょう。
セーフティネット保証
資金繰り支援でまず注目はセーフティネット保証です。
セーフティネット保証とは経営の安定に支障が生じている中小企業に一般保証(最大2.8億円)とは別枠の保証の対象とする資金繰り支援制度です。
セーフティネット保証といっても関わったことがない方にはピンとこないかもしれませんが、簡単に言えばお金を借りるときに信用保証協会が保証してくれる制度です。
保証と言っても銀行に対してのもので、もし企業になにかあっても銀行は信用保証協会から保証がしていただけるのでお金を安心して貸せるのです。
逆に言えば企業からすればお金が借りやすくなるのです。
ただ、あくまで借り入れですからご注意くださいね。
それにより当面の資金繰り工面してな・・・ってことなのでしょう。
なお、今回の新型コロナウィルスの影響でセーフティネット保証4号が全都道府県を指定、セーフティネット保証5号も追加業種が加わっています。
それぞれの概要は下記を御覧ください。
セーフティネット保証4号
突発的災害(自然災害等)の発生に起因して売上高等が減少している中小企業者を支援するための措置で幅広い業種で影響が生じている地域について、一般枠とは別枠(最大2.8億円)で借入債務の100%を保証する制度です。
対象となるのは以下の条件を満たした場合です。なお、今回の新型コロナウィルスで指定地域は全都道府県とされる予定です。
●指定を受けた地域で1年以上継続して事業を行っていること
●指定を受けた災害等の発生に起因して、その事業に係る当該災害等の影響を受けた後、原則として最近1か月間の売上高又は販売数量が前年同月に比して20%以上減少しており、かつ、その後2か月間を含む3か月間の売上高等が前年同期に比して20%以上減少することが見込まれること。
セーフティネット保証5号
セーフティネット保証5号は全国的に業況の悪化している業種に属する中小企業者を支援するための措置で一般枠とは別枠 (最大2.8億円、4号と同枠)で借入債務の80%を保証されます。
以下のいずれかの条件を満たして、市町村長の認定を受けた企業が対象です。
●指定業種に属する事業を行っており、最近3か月間の売上高等が前年同期比5%以上減少の中小企業者
●指定業種に属する事業を行っており、製品等原価のうち20%を占める原油等の仕入価格が20%以上、上昇しているにもかかわらず、製品等価格に転嫁できていない中小企業者
なお、今回の新型コロナウィルスで指定業種が3月31日まで以下に拡大されています。(数字は日本標準産業分類において分類された業種区分)
2 0997 すし・弁当・調理パン製造業
3 4899 他に分類されない運輸に附帯するサービス業
4 5895 料理品小売業
5 6099 他に分類されないその他の小売業
6 7511 旅館,ホテル
7 7521 簡易宿所
8 7592 リゾートクラブ
9 7599 他に分類されない宿泊業
10 7611 食堂,レストラン(専門料理店を除く)
11 7621 日本料理店
12 7622 料亭
13 7623 中華料理店
14 7624 ラーメン店
15 7625 焼肉店
16 7629 その他の専門料理店
17 7631 そば・うどん店
18 7641 すし店
19 7651 酒場,ビヤホール
20 7661 バー,キャバレー,ナイトクラブ
21 7671 喫茶店
22 7691 ハンバーガー店
23 7692 お好み焼・焼きそば・たこ焼店
24 7699 他に分類されない飲食店
25 7711 持ち帰り飲食サービス業
26 7721 配達飲食サービス業
27 7892 エステティック業
28 7893 リラクゼーション業(手技を用いるもの)
29 7912 旅行業者代理業
30 8021 劇場
31 8022 興行場
32 8023 劇団
33 8024 楽団、舞踏団
34 8025 演芸・スポーツ等興行団
35 8045 ボウリング場
36 8048 フィットネスクラブ
37 8052 遊園地(テーマパークを除く)
38 8053 テーマパーク
39 8091 ダンスホール
40 8231 学習塾
利用方法
セーフティネット保証を利用するためには本店等の所在地の市町村に認定申請を行います。
その認定書をお金を借りたい金融機関などに持参し借り入れの申込み。審査に通れば信用保証協会の保証付きの融資を受けることができます。(金融機関、信用保証協会それぞれ審査あり)
とりあえず、必要なときに備えて早めに市町村の認定だけ受けておくのがおすすめかもしれません。
詳しくは最寄りの信用保証協会、金融機関にお尋ねください。
セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)
次はセーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)です。
セーフティネット貸付は社会的、経済的環境の変化などの外的要因により、一 時的に売上の減少など業況悪化を来しているが、中期 的には、その業績が回復し、かつ発展することが見込まれる中小企業者の経営基盤の強化を支援する融資制度です。
対象者
セーフティネット貸付が利用できる条件は以下を満たした方です。
●最近の決算期における売上高が前期または前々期に比し5%以上減少している方
●最近3ヵ月の売上高が前年同期または前々年同期に比し5%以上減少しており、かつ、今後も売上減少が見込まれる方
●最近の決算期における純利益額または売上高経常利益率が前期または前々期に比し悪化している方
●最近の取引条件が回収条件の長期化または支払条件の短縮化などにより0.1ヵ月以上悪化している方
●社会的な要因による一時的な業況悪化により資金繰りに著しい支障を来している方または来すおそれのある方
●最近の決算期において、赤字幅が縮小したものの税引前損益または経常損益で損失を生じている方
●前期の決算期において、税引前損益または経常損益で損失を生じており、最近の決算期において、利益が増加したものの利益準備金および任意積立金等の合計額を上回る繰越欠損金を有している方
●前期の決算期において、税引前損益または経常損益で損失を生じており、最近の決算期において、利益が増加したものの債務償還年数が15年以上である方
出所:日本政策金融公庫 セーフティネット貸付「ご利用いただける方」より
ただし、今回の新型コロナウィルスで特例措置が出ています。
条件
運転資金、設備資金
【融資限度額】
中小事業 7.2億円、国民事業4,800万円
【金利】
基準金利:中小事業1.11%、国民事業1.91%
※令和2年2月3日時点、貸付期間・担保の有無等により変動
この制度自体は元々ある制度ですが、今回の新型コロナウィルスにより特例措置が入りました。
元々はセーフティネット貸付の要件には「売上高が5%以上減少」といった数値が設定されていましたが、それが緩和され、今後の影響が見込まれる事業者も含めて融資対象となります。
利用方法
日本政策金融公庫または沖縄振興開発金融公庫が窓口となりますのでそちらにお問い合わせください。
沖縄振興開発金融公庫 融資第二部中小企業融資第一班:098-941-1785
新型コロナウィルス感染症特別貸付(無利子・無担保融資)
新型コロナウイルス感染症特別貸付及び特別利子補給制度を併用することで実質的な無利子化を実現します。
対象者
対象者は以下の通りです。
①最近1ヶ月の売上高が前年又は前々年の同期と比較して5%以上減少した方
②業歴3ヶ月以上1年1ヶ月未満の場合は、最近1ヶ月の売上高が、 次のいずれかと比較して5%以上減少している方
a 過去3ヶ月(最近1ヶ月を含む。)の平均売上高
b 令和元年12月の売上高
c 令和元年10月~12月の売上高平均額
なお、数字の裏付けができない個人事業主(フリーランス含み、小規模に限る)は、影響に対する定性的な説明でも柔軟に対応とこと。
条件
運転資金、設備資金
【融資限度額】
中小事業 3億円、国民事業6,000万円
【金利】
当初3年間 基準金利▲0.9%、
4年目以降基準金利 中小事業1.11%→0.21%、国民事業1.36%→0.46%
(利下げ限度額:中小事業1億円、国民事業3000万円)
※令和2年3月2日時点、信用力や担保の有無にかかわらず利率は一律
利用方法
日本政策金融公庫または沖縄振興開発金融公庫が窓口となりますのでそちらにお問い合わせください。
沖縄振興開発金融公庫 融資第二部中小企業融資第一班:098-941-1785
特別利子補給制
上記の日本政策金融公庫等の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」により貸付を行った中小企業者等のうち、特に影響の大きいフリーランスを含む個人事業主、また売上高が急減した事業者などに対して、利子補給を行うことで資金繰り支援を実施されます。
対象者
対象者は以下の通りです。
①個人事業主(フリーランス含み、小規模に限る):要件なし
②小規模事業者(法人事業者) :売上高▲15%減少
③中小企業者(上記➀➁を除く事業者):売上高▲20%減少
※小規模要件 ・製造業、建設業、運輸業、その他業種は従業員20名以下
・卸売業、小売業、サービス業は従業員5名以下
条件
・補給対象上限:中小事業1億円、国民事業3000万円
なお、令和2年1月29日以降に、日本政策金融公庫等の「新型コロナ ウイルスに関する経営相談窓口」等経由で借入を行った方について、 上記適用要件を満たす場合には本制度の遡及適用が可能とのこと。
利用方法
利用方法などはまだ詳細が決まっていないようです。詳しくは以下の問い合わせまでご確認ください。
新型コロナウィルス対策マル経
商工会議所や商工会で経営指導員による経営指導を受けた小規模事業者に対して、日本政策金融公庫が無担 保・無保証人で融資を行う制度のマル経についても新型コロナウィルスで特別措置が入ります。
対象者
対象者は以下の通りです。
条件
【融資限度額】 別枠1,000万円
【金利】 経営改善利率1.21%(令和2年3月10日時点)より当初3年間、 ▲0.9%引下げ
融資限度額はそこまで高くありませんが、金利がかなり低くなりますから使いやすいかもしれません。
利用方法
日本政策金融公庫またはお近くの商工会・商工会議所が窓口となりますのでそちらにお問い合わせください。
衛生環境激変対策特別貸付
次は衛生環境激変対策特別貸付です。
衛生環境激変対策特別貸付は感染症または食中毒の発生による衛生環境の著しい変化に起因して、一時的な業況悪化から衛生水準の維持向上に著しい支障を来している生活衛生関係営業者の経営の安定 を図るための特別貸付制度です。
対象者
なお、利用できるのは以下の条件を満たした方です。
新型コロナウイルス感染症の発生により、一時的な業況悪化 から資金繰りに支障を来している旅館業、飲食店営業及び喫茶店営業を営む方であって、次のいずれにも該当する方
①最近1ヵ月間の売上高が前年または前々年の同期に比較して 10%以上減少しており、かつ、今後も減少が見込まれること。
②中長期的に業況が回復し発展することが見込まれること。
条件
運転資金
【融資限度額】
別枠1,000万円(旅館業は別枠3,000万円)
【金利】
基準金利:1.91% ただし、振興計画の認定を受けた生活衛生同業組合の組合員の方については、基準金利-0.9%
※令和2年2月3日時点、貸付期間・担保の有無等により変動
利用方法
日本政策金融公庫または沖縄振興開発金融公庫が窓口となりますのでそちらにお問い合わせください。
沖縄振興開発金融公庫 融資第二部生衛・創業融資班:098-941-1830
市町村・県の支援策
また、県や市が独自に金融支援策を設けているケースも多いです。詳しくは最寄りの自治体にお尋ねください。
例えば私が住んでいる岐阜県では「経済変動対策資金」として以下の支援策があります。
対象者
なお、利用できるのは以下の条件を満たした方です。
感染症法における「指定感染症」又は知事が特に対応が必要と認めた疾病等による影響を受ける事業者
最近1か月の売上高又は売上総利益が前年同月比3%以上減少しかつその後2か月を含めた3か月の平均も3%以上減少することが見込まれること
条件
経済変動対策資金の具体的な条件は以下のとおり。
1億円
【償還期間】
運転資金7年以内(据置1年以内)
設備資金10年以内(据置1年以内)
【金利】
1.4%
緊急支援策を利用する
次は緊急支援策です。既存の制度を拡張したものや新しい制度が用意されています。
雇用調整助成金
次は雇用調整助成金です。
雇用調整助成金とは経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた 事業主が、労働者に対して一時的に休業、教育訓練又は出向を行い、労働者の雇用維持を図った場合に、 休業手当、賃金等の一部を助成するものです。
簡単に言えば店舗や工場を一時的に縮小したり、休業したりするときなどに従業員を休ませたりして雇用の維持を図っている場合に 休業手当、賃金等の一部を助成してくれる仕組みです。
こちらもうまく使えば資金繰り対策として有効な助成金となります。
対象者
利用は不正が多いこともありかなり厳しくなっています。
次のいずれも満たす必要があります。(今回の新型コロナウィルス対策で一部緩和。詳しくは後述)
(2)売上高又は生産量などの事業活動を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していること。
(3)雇用保険被保険者数及び受け入れている派遣労働者数による雇用量を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて、中小企業の場合は10%を超えてかつ4人以上、中小企業以外の場合は5%を超えてかつ6人以上増加していないこと。
(4)実施する雇用調整が一定の基準を満たすものであること。
〔1〕休業の場合:労使間の協定により、所定労働日の全一日にわたって実施されるものであること。
〔2〕教育訓練の場合:
〔1〕と同様の基準のほか、教育訓練の内容が、職業に関する知識・技能・技術の習得や向上を目的とするものであり、当該受講日において業務(本助成金の対象となる教育訓練を除く)に就かないものであること。
〔3〕出向の場合:対象期間内に開始され、3か月以上1年以内に出向元事業所に復帰するものであること。
(5)過去に雇用調整助成金の支給を受けたことがある事業主が新たに対象期間を設定する場合、直前の対象期間の満了の日の翌日から起算して一年を超えていること
出所:厚生労働省「雇用調整助成金」
条件
具体的な助成内容は以下のとおりです。
【支給限度日数】1年間で100日(3年間で150日)
【教育訓練の加算】1人1日あたり1,200円
新型コロナウィルスでの特例措置1
以下の条件を満たした企業については新型コロナウィルスの特例措置が受けられます。※休業等の初日が令和2年1月24日から7月23日までの場合に適用
新型コロナウィルス感染症の影響を受ける事業者については以下の特例措置が設けられます。
①休業等計画届の事後提出が令和2年5月31日まで可能。
②生産指標(売上高等10%減)の確認対象期間を3か月から 1か月に短縮。
③雇用指標(最近3か月の平均値)が対前年比で増加している 場合も対象。
④事業所設置後、1年未満の事業主も対象。
新型コロナウィルスでの特例措置2
現時点では北海道のみですが、特例的に、生産指標が低下したものとみなし、また正規・非正規を問わず対象とした上で、助成率を引上げられます。
【支給限度日数】1年間で100日(3年間で150日)
【特例措置の内容】
①休業等計画届の事後提出が令和2年5月31日まで可能。
②生産指標要件(売上高等10%減)は満たしたものとして扱う。
③雇用指標(最近3か月の平均値)が対前年比で増加している場合も対象。
④事業所設置後、1年未満の事業主も対象。
⑤助成率を大企業2/3、中小企業4/5に引上げ。
⑥非正規も含めた雇用者に対する休業手当が対象。
持続化給付金
次は事業継続に困っている中小・小規模事業者支援です。
メインとなるのは中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業主に対して、現金給付される「持続化給付金」でしょう。
具体的には以下の条件を満たした法⼈は200万円以内、個⼈事業者等は100万円以内を⽀給します。
中堅企業、中⼩企業、⼩規模事業者、フリーランスを含む個⼈事業者等、その他各種法⼈等で、新型コロナウイルス感染症の影響により売上が前年同⽉⽐で50%以上減少している者
具体的には以下の計算式に当てはめて行います。
前年の総売上(事業収⼊)- (前年同⽉⽐▲50%⽉の売上×12ヶ⽉)
例えば昨年の3月の売上が1,000万円で今年が500万円だったとします。
それに12ヶ月で掛けると6,000万円。
前年の総売上が10,000万円なら差額は4,000万円です。
ただし、給付の上限は法⼈200万円、個⼈事業者等100万円ですからそこまで支給されることになります。
申請方法や減少の確認方法など具体的な詳細はまだ不明な点が多いです。
申請は原則電子申請とのことですが、Jグランツではないそうです。
国税・地方税の1年間納付猶予など税制措置
国税・ 地方税の無担保かつ延滞税なしで1年間、納付を猶予はうれしいところです。
売掛金の管理
次は売掛金の管理です。特に今回のように経営環境が激変した際にはもっとも重要な資金繰り対策といっても過言ではないでしょう。
いくら売上が上がろうがお金が回収できなければ意味がありません。
特に経済危機が訪れた場合には入金が滞るなんてことはよくあります。
それによっての連鎖倒産なんてのも実際あるのです。
それを防ぐ事がまずは重要なポイントとなります。
契約内容を明確化
まず、やっておきたいのが契約内容を明確化することです。
長年取引をしていると口約束的なものが多くなってしまいがちですが、そのようなこともできるだけ文章化し明確化しておきます。
特にいつ入金されるのかという入金のサイクルは重要です。
基本は売掛金の入金よりも買掛金の支払いのほうが遅いという状態を作ることです。
入金日の交渉
いくら入金を早くといっても相手先があることですから自分たちの都合だけでは決められません。
取引先からしても入金を早くするということは資金繰り面でマイナスですから飲みたくはないはずですしね。
そこでおすすめしたいのが締日の交渉です。
例えば20日締めの翌月末払いの条件で契約している場合に、以下の提案をした場合どちらが受けられやすいでしょう?
提案を受け入れられると前者は20日締めの翌月20日払に、後者は月末締めの翌月末払いとなります。
どちらも支払いスパンは1ヶ月となり資金繰り上の効果はそれほど大きく代わりませんが、後者の締日の変更の方が受けられやすいのです。
支払期日を変えるってのは抵抗有る企業が多いんですよ。
与信管理は重要
また、経済危機が訪れると倒産企業も当然増えます。
いくら売上があがったとしても倒産されてしまえばお金の回収はほぼ絶望的で大損・・・
ですからそうなる前にどこと取引してもよいのかという与信管理はしっかりやっておく必要があるでしょう。
例えば
●現金払いを手形に変更
●手形の期日が長くなった
●取引銀行が変わった
●経営者となかなか連絡がとれない
●役員や経理が退職
このようなパターンが見られる場合はかなり要注意状態ですのでお気をつけください。
与信会社を使うなどして取引しても良いのかは確認したほうがよいでしょう。
また、取引先の決算書が入手できるならばそれを見るに越したことはありません。(粉飾決算の可能性は見定める必要あり)
入手方法は以下の記事を御覧ください。
未入金の請求
もう一つのポイントは未入金の請求は即座に行うことです。
つまり、約束の日にお金が入っていなかったら即座に電話するってことです。
これは本当に重要なポイントです。
資金繰りに窮している企業が何を考えるかを想像すればわかるでしょう。
例えば月末に3,000万円の預金、入金予定が5,000万円あったとします。
支払わなければならないお金が8,000万円です。
この場合、3,000万円分は払ってもらえます。
しかし、残りの5,000万円に関しては取引先の取引先が払ってくれなれば払うお金がないわけです。
そうなると企業の支払い担当者が考えることは「どこに支払うか」です。
そうなると未入金の場合にすぐに連絡来るところは面倒ですから優先度が上がるんですね。
資金繰りが悪くなってきても企業はすぐに倒産するということはありません。
徐々に悪くなっていくのです。
ですから資金繰りが悪くなってきた兆候が見えた未入金の時点でできるだけ優先度を上げておくことが重要なのです。
ちょっとしたことですが、大きな違いとなりますので実行してください。
その他資金繰り対策
他にも資金繰り対策として取り組みたいポイントはたくさんあります。
今回は特に重要な部分を抜粋してお伝えします。
在庫の圧縮
まずは在庫です。
在庫も業種によっては資金繰り上とても大きなウエイトを占める項目となります。
ただし、難しいのが在庫を多く抱えれば資金繰り上厳しくなりますが、少なすぎても機会損失に繋がるという部分もある点でしょう。
在庫を早い段階で回転させる仕組みなりを考えておきたいところですね。
特に全く動いていない在庫は早めに処分してしまうことをおすすめします。
固定資産・土地等の売却
不要な固定資産・土地などがある場合は資金繰りが厳しくなる前に処分をしてしまうことも重要です。
どうしてもこれらは現金化するまでに時間がかかりますので早めに動くのがよいでしょう。
諸経費の圧縮
次は諸経費の圧縮です。
特に毎月決まって発生する固定費を中心に削減していきたいところ。
ただし、あまり経費の削減をやり過ぎると社員のモチベーションやモラール低下に繋がりますから社員を巻き込んで一緒に考えるくらいがちょうどよいかもしれません。
特に家賃など金額の大きいものから取り組みと良いでしょう。
家賃も引っ越さなくても交渉次第で値下げできる場合もありますよ。
リストラ
前述の雇用関係助成金などを使っても厳しい場合はリストラを検討する必要があります。
ただし、リストラと言っても社員を解雇することだけではありません。
部署異動なども合わせて検討しましょう。
当然社員にも生活がありますので慎重に行う必要があります。
最終手段と考えるのがよいでしょう。
支払い優位先順位を考える
上記のことを実行してもなおかつ資金が足りない場合は支払先の優先順位をつけましょう。
特に優先すべきは重要な仕入先、社員の給料です。
まとめ
今回は「新型コロナウィルスショックで企業が生き残るための資金繰りのポイント」と題して資金繰りのポイントをみてきました。
新型コロナウィルスの件が早く解決することを祈りますが、経営者としては最悪の事態を想定しておく必要があります。
今回の件が大きくなったことも想定して一度資金繰りについて考えてみてくださいね。
最後まで読んでいただいてありがとうざいます。
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